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経理・財務女性も「副業」できる! キャリア選択肢を広げる働き方

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事・平田 麻莉さん

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事・平田 麻莉さん

働き方改革が進み、社員の副業を応援する会社が徐々に増加している昨今では、組織に所属したまま副業という形で、主体的かつ流動的に自分のキャリアをデザインすることへの注目が集まっています。

弥生マルシェの読者の中には「経理や財務職で副業?」とイメージがしづらい方も多いかもしれませんが、想像している以上に実践している方は増えています。仕事の探し方や制度利用の仕方など、副業ブームとも言える現状を一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事・平田 麻莉さんに詳しくうかがいました。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 

自分の名前で仕事をしたい人のためのインフラ&コミュニティ。有志のフリーランスらにより20171月に設立され、「誰もが自律的なキャリアを気づける世の中へ」というビジョンを掲げる。年会費1万円で賠償責任保険や健康診断の優待、福利厚生、所得補償制度などが使えるベネフィットプランの提供や、フリーランスのキャリア支援のための多彩なイベント運営等を行う。

副業ブーム! そもそも「副業」って何を指しているの?

2018年1月に厚生労働省によるモデル就業規則の改定案が公表され、大企業から中小企業まで副業解禁する企業が次々と現れたため、2018年は「副業元年」と言われています。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が監修した『フリーランス&”複”業で働く!完全ガイド 』(日本経済新聞出版社)は2018年7月の出版からたった10日で重版が決定したほどの売れ行きに。世間の関心の高さが感じられ、これまでの独立系フリーランスとは違う就労モデルである「すきま時間で副業をする副業系フリーランス」は今後ますます増えていくと考えられます。

出所:『Work Model 2030 ― テクノロジーが日本の「働く」を変革する―』(リクルートワークス研究所)

出典:『Work Model 2030 ― テクノロジーが日本の「働く」を変革する―』 (リクルートワークス研究所)

とはいえ副業禁止規定のある会社も多いため、副業というもの自体を見聞きしたことのない人も多いはず。副業とは何のことで、独立系フリーランスとはどう違うのでしょうか? 同協会代表理事・平田麻莉さんは「副業をしている方は、これまでにもいらっしゃったんですよ」と話します。

「ただ、昔は会社には内緒で副業をされる方が多かったんです」

例えば個人ホームページにアフィリエイトバナーを設けて収入を得ていたり、アルバイトを掛け持ちしていたり。しかし、2010年頃からクラウドソーシングやシェアリングエコノミーといった考え方がビジネスからライフスタイルにも浸透するにつれ、ジョブ(仕事)自体にも「プロジェクト化」「クラウド化」「シェア化」の波が起こり、内緒ではなくオープンに個人の名で副業をする人が徐々に増えました。

「人生100年時代を見据えた 自立促進 (会社にも、政府=年金にも寄り掛からない老後のキャリアづくり) が求められる中、開業率アップも期待して、政府も副業解禁を検討したと言われています。人生100年時代と言われる現代、もはや定年は人生のゴールではありません。一社で勤め上げることが必ずしも最善とは限らない時代になりました。

定年の60歳で市場に放り投げられてその後30年は会社の看板に頼らず仕事をしていかなければなりません。あなたに何ができますか?と問われて、部長ができます、なんていうのは通用しにくいですよね。欧米のように企業と個人が対等な契約関係でなく、定年までの人生を丸々預けさせ、異動も転勤も会社の言うがままに従うジェネラリストを育成し重宝してしまう日本型雇用からは早めに自立し、自分で専門性を培う必要があります」

本来、契約上は就業規則で就業時間が定められているので、習いごとや地域活動、介護子育てなど、就業時間外の活動は従業員の自由です。

「副業をすることに対して本業に支障が出ると言う企業は、漠然とした不安から副業解禁を恐れているだけの場合もあります。個人に課せられたミッションと数値的な目標が明確な企業ならば、本業に支障が出れば評価を下げるだけなので、解禁に躊躇がありません。また、競合への情報漏洩などのコンプライアンス懸念を指摘する意見もありますが、それは元来の転職も同じで、会社のカルチャーや従業員の士気、セキュリティシステムで防ぐべきもの。副業を解禁したからということでいきなりリスクが上がるわけではないんですよ」

経理女子でも副業は可能? 経理ならではのメリットも

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副業者であるパラレルワーカーには、「雇用×フリーランス」型だけでなく、正社員として勤務する傍らで、本業のスキルや趣味の延長として他社でアルバイトするなど、複数の会社と雇用契約を結ぶ「雇用×雇用」型もあるとか。もともとクリエイターとして働く人が、週末だけカメラマンやダンサー、ピラティス講師をしている例や、広報を専門とする人が社外の組織で広報を手伝う場合もあります。

「中でも、人事制度の設計や財務経理などには大きな副業需要があります。小さな会社がバックオフィス業務を『バーチャル経理部』のようにしてアウトソーシングする外注サービスをビジネス化した企業もあり、求人が途絶えません」

経理財務というのは、日々の記帳から決算まで、様々なレイヤーによって構成されているもの。それらをうまく分割し、ワークシェアすることで、経理経験のある主婦などが子育て中の副業としてオンライン上で仕事をしたりしています。チャットを駆使し、細かく分業化された業務を納期までに納品するというスタイルで、時給も高いのが魅力です。

「今は労働人材が減っていて、どの会社も正社員や派遣社員で経理人材を確保するのが大変。とはいえ経理とは専門スキルですから、誰でもいいわけではありません。業務を効率化して少ない人材をシェアするという課題の、最たる職種が経理財務と言えるでしょう」

ベンチャー企業に限らず、上場企業が連結決算をする際、子会社のためだけに経理人材を用意できないという場面もあります。外注ビジネスにおいて、経理職は人材ニーズが今とても高いのです。机とパソコンさえあればできる上に、副業をすると経験が倍速で増えていくのも経理業務の有利な点。さまざまな業界の企業経理の特徴を知り、汎用的なスキルを身につければ、キャリアアップにも大いに役立ちます。経理女子こそ副業に向いていると言えるかもしれません!

どうやって副業を始めるの?

もちろん、今いる会社が就業規則で副業禁止を定めていれば、そもそも副業はできません。もし違反した場合は懲戒処分を受ける可能性もあります。

「推進されていないにしても黙認しているという会社の場合、そこは自己判断と自己責任になりますので、まずは副業規則を事前に調べておきましょう。でも、会社のように上から降ってくるものとは違う主体的な仕事の受け方は、自立した働き方として魅力に感じるかもしれません。会社員でもブログを書いたりとか、趣味に時間を使ったりしますよね。今までブログを書いていた2時間で副業をやってみようという置き換え方で、気軽に始められるのが副業のいいところです」

せっかく細分化され分業化されているのですから、まずは小さく始めて、慣れたら増やしていくという無理のないペースで始めてみましょう。

会社の帰りや空き時間に快適なコワーキングスペースを利用して副業する人も増えている

会社帰りや空き時間に快適なコワーキングスペースを利用して副業する人も増えている (撮影協力:DIAGONAL RUN TOKYO

副業での収入は、所得の種類によりますが、年額20万円を超えなければ確定申告は必要ありませんし、仮に所得が20万円を超えても、既に経理をご存知の方なら確定申告に節税効果のあることもご承知でしょう。副業で身につけたスキルで経理関連の資格を取るなど、その勉強にかかるコストも経費申告できます。「経験が増えて勉強にもなるという説明をすれば、周囲の理解も得やすいです」と、平田さんの言葉通り、社外を知って目線が上がり、スキルアップ・キャリアアップにつながるとも考えられます。

では、副業を始めるならまず何をすればいいのでしょう?「今は例えばMerryBizなど、人材と細分化された業務をオンライン上でマッチングする会社がたくさんあるんですよ。『在宅 経理』で検索してみると色々出てきますよ」と平田さん。

他にもビジネスパーソンの持つ知見をマッチングするスキルシェアサービスのビザスクでは、7万人の登録者のうち7割が現職会社員なのだとか。寄せられた依頼や相談に対し、本業の合間のスキマ時間を使って培ってきたスキルを活かしたコンサルティング業務を提供するものです。一定のキャリアを積んできた会社員たちが、自分は世間でどのくらいのニーズがあるのかと腕試しの感覚で登録。ところが、実際に依頼があると「自分のスキルが必要とされるなんて思いもしなかった、こんなことで喜ばれるなんて知らなかった」と、新鮮な発見を口にする人が多いのだそうです。

自分の価値を整理して何ができるかを棚卸ししよう!

自分の価値を整理して何ができるかを棚卸ししよう! 出典:『フリーランス&”複”業で働く!完全ガイド 』(日本経済新聞出版社)

「とはいえ、副業の解禁・推進だからと言ってみんな副業しなきゃダメ、とかではないんです。向き不向きがあって強制するものではありませんから。副業は同じ経理職でも、別の業種でもいい。例えば歌手やカメラやハンドメイド、趣味の延長で腕試しして行くのでもいいんです。転職は大変だけれど、副業は合わなければ辞めることも比較的たやすいので、思い悩むよりも、とにかくまず挑戦してみて欲しいですね。

同じ社内にずっといると、周囲と同質化してしまい、自分の市場価値があまりわからないんです。でも一歩外に出ると、自分にとって当たり前のことができない人もたくさんいることに気づき、自己効力感が上がる。それを1回でも経験すると、新しい出会いと新しい世界が見えてくるんですね」

自律的に働く一歩! 汎用性を高め、人生100年時代を生きていく

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最後に、平田さんからメッセージ。

「あなたの持っている能力を、1社だけでなく複数社でシェアしてください」

平田さんは「他流試合の重要性」を強調してくれました。高度な専門家が、プロボノ(専門スキルを活かしたボランティア)で謝礼は要らないという形でNPOに協力するようなケースもたくさんあるそうで、彼らの狙いや喜びとは、そこで得る「学び」や「ネットワーク」なのだとか。

これからの人生100年時代に必要なスキルとは、視野の広さや汎用性の高いスキル。会社に任せておけばいいという意識ではなく、自分が今そこに何を提供できるかという視点で、自律的に働く姿勢が大切になってきます。

「人生100年時代がシビアな世界になることは間違いないんです。だからこそ、今いる会社から外の世界を見てみると、必ず学びがあります。経理・財務女子はすでにスキルがあるのですから、そこはぜひ自信を持ってください」

河崎 環(かわさき たまき)
著者:河崎 環(かわさき たまき)
コラムニスト。慶應義塾大学総合政策学部卒。予備校・学習塾での指導経験を経て、教育・子育て、政治経済、時事問題、女性活躍、カルチャー、デザインなど多岐に渡る分野での記事・コラム執筆を続け、政府広報誌や行政白書にも参加する。22歳女子と13歳男子の母。著書に『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)。
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