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給与・賞与も全社員で決める⁉ 働きがいNo.1企業の非常識な「仕組み」とは?

「今こそ働き方改革が必要だ!」という声があちこちから聞こえてくる今日この頃。とはいえ、人やお金、時間などのリソースが限られている中小企業では、すぐに働き方を変えるのは難しいものです。社員の「働きがい」なんて考える余裕がないという企業も多いのではないでしょうか。

しかしながら、世の中には、会社の規模は大きくありませんが、「仕組みづくり」を通じて、優秀な人を採用し、育てて、働く環境も整えている企業も存在します。アクロクエストテクノロジー株式会社は、世界で調査活動をおこなうGreat Place to Work®の2018年「働きがいのある会社ランキング」小規模部門(従業員25名~99名)で2015年、2016年に続き3度目となる第1位受賞や、法政大学大学院中小企業研究所「人を大切にする経営学会」が選出する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞での審査委員会特別賞など、数々の賞を受賞している「働きがいNo.1企業」です。「社員が働きがいを感じられる環境作りを実現している企業として、「働き方改革」に取り組む企業や、各方面のメディアから注目を浴びています。具体的にどのような取り組みが行われているのか、同社の新免玲子副社長にうかがいました。

会社の重要な事柄を全社員で決める「MA(Meeting of All staff)」

アクロクエストテクノロジー株式会社
「テクノロジストチームとして、ビジネスの革新的価値創出に挑戦する」をビジョンとし、先端技術をいかにビジネス価値に転換できるかを目指して、システム開発、サービス提供をおこなう。リアルタイム・ビッグデータ解析から、IoTプラットフォームの提供やビジネス価値可視化等のサービスを展開。さらに、組織作りのノウハウを実践を通じて学ぶ「組織いきいき実践勉強会」を開催している。

東大・京大・東工大などの超高学歴が採用の大半!なぜ優秀な人材が集まるのか?

「働き方改革」が叫ばれる遥か前から、社員が働きがいを感じられる会社作りを行ってきたアクロクエストテクノロジー。社員数約70名というさほど大きくない組織でありながら、東大・京大・東工大をはじめとする難関国立大や有名私大卒から精鋭が集まっています。

いくつもの働きがいを高める「仕組み」があり、ベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者である法政大学の坂本研究室の調査によると、社員の満足度がダントツに高いこともわかっています。

働きがいを高める「仕組み」の代表的なものは、社員が自分たちで給与を査定する「ハッピー360」や新卒が自分の給与をプレゼンテーションする「初任給公開交渉」、さらには、採用の場面から徹底した「全社禁煙」や、社員の幸せを応援するための「婚活サポート」などさまざま。

さらに、本業のITソリューション開発以外に、中小企業向けに「組織イキイキ実践勉強会」を開催するなど、会社を元気にする仕組みを、世の中に啓発する活動も展開しています。

注目すべきは、同社は必ずしもリソースが潤沢にあるような大手企業ではないということ。「働きがいNo.1企業」は、社員のアイディアが詰まった「仕組み」によって実現されたものなのです。

トロフィーがずらりと並ぶエントランスにて。奥の空間が少し暗く見えるのは、全社で省エネに取り組んでいるため。

トロフィーがずらりと並ぶエントランスにて。奥の空間が少し暗く見えるのは、全社で省エネに取り組んでいるため。

アクロクエストテクノロジーの創業メンバーであり副社長で、会社を元気にする仕組みを作ってきた中心人物の一人である新免玲子さんは「働きがいNo.1企業」が生まれるきっかけとなった最初の一歩についてこう話します。

新免さん:会社で働くのはなぜ面白くないと言われることが多いのだろう…それならば自分たちで気持ちよく働ける会社を作ろう! というのがスタートでした。社員が働きがいを感じられる環境作りのカギとなるのは、みんなで同じ方向に進んでいく「一体感」。もちろん、一体感を醸成することは、一朝一夕でできることではありません。どういう人を採用して、どのように育てていくかがとても大切なのです。

中小企業こそ採用ポリシーを明確に!妥協したらいつまでたってもいい人は採れない

アクロクエストテクノロジーでは、17年前から喫煙者は採用しないと明示するなど、数名規模のころから一切妥協せず採用活動をおこなってきました。組織の一体感を高めるためには、会社としてのポリシーをしっかり打ち出し、それに共感してもらった人だけに入社してもらうことが大前提だからです。

新免さん:「大企業ならともかく、喫煙者をNGにしたら誰も来なくなるよ」とたくさんの人から忠告されました。でも、結果はその反対。喫煙NGはあくまで一例ですが、当社の採用ポリシーを明確にしたことで、ポリシーに共感する優秀な人材を獲得できるようになったんです
アクロクエストテクノロジー株式会社取締役副社長 新免玲子さん

アクロクエストテクノロジー株式会社取締役副社長 新免玲子さん

求めているのは、“人生における自己実現につながる本質的な価値と意義に重きを置く人”。つまり、待遇よりも、仕事そのものの喜びや、自己成長を求める人がほしいと打ち出しています。東京大学、京都大学、東京工業大学といった国立有名大学を中心とした新卒学生が毎年集まるようになったのは、採用ポリシーを明確にしてからなのだそうです。

新免さん:社員教育は内定してすぐにスタートします。なかには半年以上、インターンシップに従事することで入社前から実力を付ける内定者も。その結果、入社してすぐに即戦力として会社で活躍できることは、企業にとっては勿論のこと新入社員本人にとってもwin-winですから。

入社後は年100回を超える技術勉強会が開催されています。社内には社員の誰がどんなスキルを有しているのかわかるスキルマップもあり、誰から何を学べるのかも一目瞭然な仕組みも。大企業のようなリソースがないからこそ、教育にフォーカスし、成長する仕組みを作りこんでいるから、優秀な社員が集まり、入社した社員が成長できるのです。

初任給も自己申告!新卒社員がプレゼンして金額交渉

会社の重要な事柄を全社員で決める「MA(Meeting of All staff)」という会議があります。ここから、社内全面禁煙や配偶者誕生日休暇などの仕組みが生まれました。会社側が一方的に決めるのではなく、自分たちで発案し自分たちで決めることができるからこそ、”この会社は自分たちが作っている“と感じることができます。

新免さん:実は、新人の初任給も会社が決めるのではなく、自分たちで決めてもらいます。みんなを納得させるために自分にはどういう能力があって、だから給与はいくら必要であると、論理的に説明することが新人の第一歩。能力と価値をいかにプレゼンするかがポイントで、学歴は関係ありません。大卒は20万円、院卒は22万円くらいが首都圏では一般的かもしれませんが、それは世の中が作った相場ですから、自分の価値を自分で考えて伝えてほしいのです

給与や賞与も「ハッピー360」という仕組みをつかって、社員全員で決めています。これは言い換えると「給与公開オーディション」。社員一人ひとりの貢献度を点数化し、それが金額に置き換えられるため、他の社員がどのくらいの給与をもらっているのか、その結果自分は全社員のどの位置にいるのかなどを知ることができるのです。

隣の社員の給料がわかってしまう珍しい環境ですが、全員が納得して決めているので不満の声が上がることもないとのこと。

隣の社員の給料がわかってしまう珍しい環境ですが、全員が納得して決めているので不満の声が上がることもないとのこと。

新免さん:ハッピー360を実施するために、従業員は3カ月前から入念に準備をします。人事や上司が査定をするのではなく、文字通りみんなで決めるため、上司の目を気にして言いたいことが言えないとか、評価をあげるために人に媚びを売るとか、そういうことがなくなります。

一人ひとりが納得するまで話し合いを行うため、自分の評価に満足して、気持ちよく働くことができますし、自分に足りない点など、成長のきっかけをつかむこともできます。さらに、部下が上司を評価することにもつながるため、パワハラなど上司部下の関係から発生する問題の予防にもつながっているそうです。

新免さん:だからウチの会社に慣れると、一般的な転職をしたときに大変なんです。ハッピー360のような仕組みがある会社はどこにもありませんから

社員を幸せにするための仕組み「花一輪」と「婚活サポート」

採用や教育、評価制度のほかにも、組織の一体感や、社員の帰属意識を高めるための仕組みはたくさんあります。誕生日の社員に花を一輪プレゼントする「花一輪」というハートフルなものもあり、社員からも愛されているそうです。

新免さん:落ち込んでいる社員を元気にしたいという想いから生まれた仕組みです。お庭の花を摘んでもいいし、通勤の途中や休憩中にお花屋さんで買ってもかまいません。集まった花が机の上に飾られると、とてもあったかい気持ちになります。当社はミャンマー支店もあるのですが、そこで働く社員は「日本には素晴らしい風習があるんですね」と感動していました。「いいえ、日本の風習ではなく、アクロクエストテクノロジーだけの仕組みだよ」って伝えたんですけれど(笑)

誕生日の社員のために花を選ぶとき、花を運んでいるときなど、花を渡すまでの過程で社員への思いやりが大きくなり、あたたかいコミュニケーションも生まれるそうです。

「花一輪」はアクロクエストテクノロジーの社員にもっとも愛されている仕組みの一つ。

「花一輪」はアクロクエストテクノロジーの社員にもっとも愛されている仕組みの一つ。

社員想いの仕組みとしてはほかに、仕事熱心な社員が結婚を逃さないための「婚活サポート」というユニークなものもあります。

新免さん:会社が好きで、楽しく仕事をしてもらえるのは経営者として喜ばしいことですが、プライベートも充実した人生を送ってほしいと願っています。そこで、選択肢のひとつとして「婚活サポート」を提案しました。「婚活サポート」は、デート代や、デートに着ていく服を含めた婚活の費用を月1万円支給するというものです。この仕組みを使って、これまで6組が結婚しています

会社を元気にする仕組み作りに大事なのはお金じゃない!

働きやすい環境を作るためのアイディアも、社内のいたるところにあります。たとえば、笑顔の写真が並ぶロッカーや、社員が自分の書籍を持ち寄って作った書棚など。これらのほとんどすべてが、社員がみんなで話し合って実施を決めたものだそうです。

気分が沈んでいるときも、ロッカーで自分のとびきりの笑顔を見ると元気になるのだとか。

気分が沈んでいるときも、ロッカーで自分のとびきりの笑顔を見ると元気になるのだとか。

社員がおススメの書籍を持ち寄って作った書棚。スキルアップに役立つ技術書などがずらりと並んでいます。

社員がおススメの書籍を持ち寄って作った書棚。スキルアップに役立つ技術書などがずらりと並んでいます。

働きがいのある会社を、みんなで力を合わせて作る。アクロクエストテクノロジーには、そんな企業文化がしっかりと根付いています。次々と新しい仕組みが生まれる文化の根底には、中小企業ならではの「想い」があるのだそうです。

新免さん:世の中にはたくさん企業があります。大手企業ではなく、小さな当社を選んでくれたことにまずは感謝せざるを得ないですよね。社員に感謝しているからこそ、社員それぞれが幸せになってほしいと思うわけです。それがすべての出発点。そして、ここで働いてよかったと思ってもらえるように知恵を絞った結果、さまざまな仕組みが生まれたのです

 


 

アクロクエストテクノロジーも、最初から「働きがいNo.1」だったわけではありません。社員への感謝を起点に数多くの試みをして、社員と一緒に働きがいのある会社を作り上げました。

もしあなたが、社員がのびのびと力を発揮し、定着してくれる会社作りをしたいと願うのなら、まずは数ある企業のなかから、自社を選んでくれた社員に感謝することから始めるといいのかもしれません。きっとそれが会社を元気にする出発点になるはずです。

弥生マルシェ編集部
著者:弥生マルシェ編集部
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