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【PickUp企業】地方の企業はまず○○○を見直せ−株式会社コムデック②

【PickUp企業】地方の企業はまず○○○を見直せ−株式会社コムデック②

伊勢神宮でおなじみの三重県伊勢市。式年遷宮祭(社殿を作り替える20年に一度のお祭り)が行われた2013年には年間1,200万人、伊勢志摩サミットが開催された2016年にも870万人が訪れましたが、普段は人口13万人に満たない地方都市です。この地域で存在感を発揮しているのが、ITソリューションを提供する株式会社コムデック。優れた経営を実践する「三重のおもてなし経営企業選」にも選出された新進気鋭の企業です。

社員わずか15名という同社が、いかにして魅力的な会社づくりをしているのか。「三重のおもてなし経営企業選」の選定理由である「顧客にとって高付加価値で差別化された製品やサービス」について語られた第1回に続き、今回は「社員の意欲や能力の引き出し方」をコムデック代表取締役の樋口雅寿氏に伺いました。

優秀な若手を採りたければトイレを見直せ

クラウドサービスの導入支援を行うコムデックにとって、自社の業務効率化は当然のことといえます。社内で共有する情報はEvernote(幅広いデータを記録できるクラウドノートサービス)に集約し、資料作成はTeachme Biz(クラウドで管理・共有ができるマニュアル作成ツール)を活用。業務連絡はチャットツールを利用し、タイムレコーダーをIT化することで勤怠管理の負担も減らしています。さらに、樋口社長は自らリモートワークの実践もしています。

「今の若者は、大人の不効率な働き方に驚いているんですよ。例えば、SNSを使いこなすモバイル世代には、メールや電話での日程調整はナンセンスに見えます。実際、無駄な仕事を増やすだけです」

株式会社コムデック代表取締役 樋口雅寿氏。SIerにてシステム開発、ネットワーク構築を経験後、1997年より「株式会社コムデック」に参画

株式会社コムデック代表取締役 樋口雅寿氏。SIerにてシステム開発、ネットワーク構築を経験後、1997年より「株式会社コムデック」に参画

社員の働きやすさを高めるためにITを活用した取り組みはほかにもたくさんあるが、最初にした取り組みは非常にローテクなものだった。

「まず着手したのはトイレ。今どきウォシュレットのないトイレなんて誰も使いたくないでしょう? 東京ではありえない。これは採用にも関わる問題だと思いました」

そう、コムデックの働き方改革は、トイレからスタートしていたのです。このような「大切だけれど見落としがちなところ」に着手できるか否かが、社員のモチベーションを大きく左右するといっても過言ではありません。

会社のトイレは清潔でもちろんウォシュレットも完備

会社のトイレは清潔でもちろんウォシュレットも完備

新卒内定者には旧帝大出身者も!

コムデックは毎年、大手求人媒体で新卒採用を展開。旧帝大出身者をはじめとする有名大学からも応募者が集まっているといいます。

「有名企業ならともかく、中小企業こそ広告を出さないと、学生に気づいてもらえません。しかもいざ出稿してみると、意外と競争相手が少なかったりします。例えばリクナビに出稿する企業は三重県内に100社程度、伊勢市で8社程度です。そのなかで学生の希望に合う業界職種の求人がある会社となると、随分絞られると思いませんか?」

「平均年齢が50代の会社は若返りが難しく存続が危うくなります。一方35歳未満の会社はフットワークが軽く活力があります」という樋口社長の考えのもと、コムデックは今後も新卒採用を継続して行う予定です。一方、中途採用では、あえて子育て中の女性を積極的に採用しているといいます。

「『子育て応援採用』と銘打って、1〜2歳くらいのお子さんがいる女性を狙って求人を出しています。優秀な方でも、子育て中であることがネックになって再就職できないケースは多々あります。私も育児経験者なので、働く時間が限られたり、子どもの世話で休んだりすることは分かっています。でも、弊社はクラウドを使って仕事を『見える化』しているので、緊急時もほかの社員がフォローできるんです」

コムデックの女性社員の割合は高い。ちなみに社員のパソコンはすべてデュアルモニターを採用。業務効率が格段に違うという

コムデックの女性社員の割合は高い。ちなみに社員のパソコンはすべてデュアルモニターを採用。業務効率が格段に違うという

コミュニケーションを活性化させる一石二鳥ランチ

コミュニケーションの場としてランチを有効に活用している海外企業に習い、コムデックでは「パワーランチ」や「女性ランチ」という機会をつくっている。

「パワーランチ」では、『クローズアップ現代』(NHK)や、『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)、『下町ロケット』(TBS系)などを見て、意見を交わしながら自分が何のために働くのか、仕事を通じて何をしたいのかの意識付けをする狙いがある。もう一方の「女性ランチ」は、文字通り女性限定のランチ会だ。

「バックオフィスで働く女性は社外に出る機会が少ないので、息が詰まることもあると思います。だから、定期的に2時間くらいお昼休憩をとってもらって、自由にランチを楽しんでもらうようにしています。その間、会社に残っている男性陣には、私の手作りカレーを振る舞うこともあるんですよ」

雰囲気の良い企業は、感謝にあふれている。コムデックはそんな日ごろの感謝を表す意味で、社員の誕生日に、樋口社長が自ら選んだ品を社員にプレゼントしている。

「まだ社員全員に目が行き届く規模だから、一人ひとりをしっかりとケアしていきたいと思っています。誕生日プレゼントはその一例。若い男性社員だったら靴の手入れ用品とか、女性だったら服のほこりをとるためのブラシとか。先日、誕生日プレゼントのお返しとして、社員が私のためにサプライズ動画をつくってくれました。とても感激しましたね」

オフィス環境を改善し、中小企業の致命傷となる人材流出を防ぐ

コムデックでは従業員満足向上に向けた投資を積極的に行っています。目玉はオフィスの改善です。

「都会の企業はガンガンオフィスを改装していますよね。でも、田舎の会社は競争が激しくないから、オフィス環境には無頓着なことが多いんです。だけどそうやって安穏と過ごしているうちに、若い人が誰も見向きしない会社になってしまいます。長く成長し続けるためには、若い人を受け入れる態勢をつくらなければいけないんです」

聞けば、コムデックのきれいなオフィスが気に入って入社した社員が実際にいるといいます。しかし、現状は外観だけを見ると、スタイリッシュなITソリューション企業に見えないという悩みも……。そこでコムデックは、事務所移転に踏み切る決断をしました。

「2017年末、市内のショッピングモールの近くに新社屋を建築し移転します。そこならランチの選択肢も増えるし、買い物も困らないし、病院や保育施設も充実しています。オフィスの見た目が良くなるだけでなく、より働きやすい環境を整えることができます」

働きやすいオフィス環境を構築することは、人材流出を防ぐことにもつながるといいます。

「少数精鋭で事業を展開する中小企業こそ、辞めさせない会社づくりが大事です。それができないと、採用コストと教育コストがかかって苦しくなります。このサイクルにハマると抜け出すのが大変です」

「新オフィスは『働き方改革』の試験場になる」と樋口社長は話します。クラウドをはじめとするITをフル活用して、新しい働き方の見本をつくり、展開するのが狙いです。

「少数精鋭が理想ですが、ゆくゆくは20名くらいの組織にしたいと考えています。その規模ならまだ全員に目が届きますし、ある程度の人数がいないとしわ寄せを受ける人が出てきて、本当の意味で働き方改革ができないからです」

社内のいたるところに、働きやすい環境をつくるための工夫が見られる

社内のいたるところに、働きやすい環境をつくるための工夫が見られる

社内のいたるところに、働きやすい環境をつくるための工夫が見られる


働き方改革を推進し、オフィス環境を整え、新しい人を迎え入れる体制をつくる。これが中小企業の生き残りのカギになるのかもしれません。実際地方の中小企業では、若い世代への事業継承に課題があり、仕方なく廃業するというケースも倒産と同じ規模で多いといいます。一見すると遠回りに思えますが、従業員満足度を高めることが、結果として事業を大きく育てることを、コムデックのような伸びている会社は知っているのです。

次回は「愛する故郷のためにできること」と題してコムデックの取り組みをお届けいたします。(第3回へ続く)

株式会社コムデックProfile:株式会社コムデック

日本人の心のふるさと三重県伊勢市に軸足を置き全国の顧客に業務システム開発、IT導入支援を行う。「Evernote」「Office365」「Dropbox」などのクラウドサービス活用し、業務効率を圧倒的に高める働き方改革を推し進めている。「お客さまの期待値」を基準とし、「99%では不満足、100%で当たり前、101%の提案を行う」がモットー。

弥生マルシェ編集部
著者:弥生マルシェ編集部
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